「初期費用0円の太陽光」を調べていくと、必ず出てくるのが「設備は誰のものになるのか」という問題です。同じ「0円」でも、契約期間中に設備が事業者のものなのか、最初から自分のものなのかで、補助金・売電収入・保証・満了後の手続きがまるごと変わります。
この記事では、まだ情報が少ない「自己所有型の0円太陽光」の定義を明確にし、PPA・リースとの違いを7つの軸で整理したうえで、契約書のどこを見れば本当に自己所有型と判断できるのかまで解説します。呼び名だけで判断して後悔しないための、東京都の戸建てオーナー向けガイドです。
✅ この記事の結論(先に要点)
- 自己所有型の0円太陽光=事業者が設備費を全額負担して初期費用0円で設置し、所有権は設置時点から利用者にある方式
- 0円太陽光はPPA(事業者所有・電気を買う)/リース(事業者所有・借りる)/自己所有型(利用者所有・月額サービス料)の3タイプ
- 所有者が違うと補助金の申請者・保証の当事者・満了後の手続きが変わる
- 自己所有型でも契約期間中の売電収入は事業者帰属が一般的。ここは正直に押さえておく
- 「本当に自己所有型か」は契約書の所有権移転時期の条文で確認できる
📅 最終更新日:2026年9月7日/「自己所有型」は法令等で定義された用語ではなく、サービスの呼称・分類として使われている言葉です。本記事の「一般的なPPA・リース」の記述は住宅用サービスに広く見られる傾向をまとめたもので、契約条件は事業者ごとに異なります。
自己所有型の0円太陽光とは
自己所有型の0円太陽光とは、事業者が太陽光発電設備の費用を全額負担して初期費用0円で設置しながら、設備の所有権は設置した時点から利用者(住宅の所有者)にある方式です。利用者は契約期間中、発電量に連動しない定額のサービス料を毎月支払います。
整理すると、次の3点がそろっているものが自己所有型です。
- 初期費用が0円(設備費・工事費を利用者が一括で用意しない)
- 設備の所有権が設置時点から利用者にある(契約満了後の譲渡を待たない)
- 月々の支払いが定額のサービス料(発電した電気を買う契約ではない)
「電気を買う契約(PPA)」でも「設備を借りる契約(リース)」でもなく、自分の設備を、月額サービス付きで持つ契約というのが自己所有型の本質です。定額制の側面については定額制(サブスク型)太陽光とは?で詳しく解説していますが、本記事では「所有権」に絞って掘り下げます。
なぜ「0円太陽光」に3つのタイプがあるのか
初期費用0円を実現する仕組みは共通です。事業者が設備費を立て替え、設備が生む経済価値(電気代削減・売電収入)と利用者の支払いから回収する——これだけです(仕組みの詳細は0円設置のカラクリ解説)。
違いが生まれるのは「その設備を、契約期間中は誰のものにしておくか」という設計です。
| タイプ | 契約期間中の所有者 | 利用者が支払うもの | ひとことで |
|---|---|---|---|
| PPA(0円ソーラー) | 事業者 | 発電した電気の料金(従量) | 電気を買う |
| リース | リース会社 | 定額のリース料 | 設備を借りる |
| 自己所有型 | 利用者 | 定額のサービス料 | 自分の設備を持つ |
PPAとリースは、事業者が設備を所有し続けることで回収のリスクを管理する設計です。一方、自己所有型は最初から設備を利用者のものにし、事業者は月額料金と契約期間中の売電収入で回収する設計になっています。所有権を利用者に渡す分、契約期間や売電収入の帰属など「回収を担保する条件」が契約書に明記されているのが通常です。
PPA・リース・自己所有型を7つの軸で比較
呼び名の違いは、実務上の7つの違いに置き換えて理解するとはっきりします。
| 比較軸 | 一般的なPPA | 一般的なリース | 自己所有型 |
|---|---|---|---|
| ① 設備の所有権 | 契約期間中は事業者 | 契約期間中はリース会社 | 設置時点から利用者 |
| ② 支払うもの | 発電分の電気料金(変動) | 定額のリース料 | 定額のサービス料 |
| ③ 契約期間中の売電収入 | 事業者に帰属が一般的 | 利用者のものが一般的 | 事業者に帰属が一般的 |
| ④ 契約満了後 | 譲渡されるのが一般的 | 譲渡されるのが一般的 | もともと利用者所有(手続き不要) |
| ⑤ 補助金の申請者 | 所有者が事業者のため扱いが異なる場合あり | 要確認 | 所有者が利用者のため整合しやすい |
| ⑥ 途中解約・撤去 | 事業者設備の買取や撤去費の精算が一般的 | 残リース料の精算が一般的 | 所定の精算条件(設備は手元に残る) |
| ⑦ 保証の当事者 | 事業者(利用者は間接的) | リース会社(利用者は間接的) | 利用者がメーカー保証の当事者になれる |
4方式全体の比較(購入を含む)は太陽光発電の導入方式4つを徹底比較をご覧ください。ここでは、自己所有型で特に差が出る軸を補足します。
⑤ 補助金の申請者——所有権が「実利」に直結する
東京都の太陽光・蓄電池助成は、原則として助成対象機器の所有者が対象です。契約期間中の設備が事業者所有であるPPAでは、助成金の申請者や活用方法が利用者の想定と異なる場合があります。自己所有型は設置時点から利用者が所有者であるため、所有者要件のある制度と構造的に整合しやすいのが特長です。
ただし「整合しやすい」と「利用者が必ず受け取れる」は別です。実際の申請名義や、助成金が月額料金にどう反映されるかはサービスごとに違うため、契約前に書面で確認してください。
⑦ 保証の当事者——「誰が」メーカーに請求できるか
太陽光パネルや蓄電池には、メーカーの製品保証・出力保証が付いています。この保証の権利を持つのは基本的に設備の所有者です。事業者所有のPPA・リースでは、利用者は事業者を通じて対応を受ける立場になります。自己所有型では利用者自身が保証の当事者となり、契約満了後も自分の名義で保証を使えます。保証の種類と確認方法は太陽光発電の保証の種類とチェックリストにまとめました。
自己所有型のメリット
1. 補助金の「所有者要件」と整合しやすい
前述のとおり、東京都の助成制度は機器の所有者を対象としています。設備が最初から自分のものである自己所有型は、制度の趣旨と噛み合った構造です。
2. 契約満了時の譲渡手続きが不要
PPA・リースでは、満了時に所有権の移転や譲渡契約が発生するのが一般的です。自己所有型はもともと自分の設備なので、満了時は月額料金の支払いが終わるだけで、名義変更などの手続きが不要です。
3. 住宅と一体の「資産」として扱える
設備は自宅の一部として自分のものです。将来の住み替えや相続の際にも「他社の設備が屋根に載っている」状態にならず、住宅と一体で扱えます。
4. メーカー保証の当事者になれる
保証・修理の窓口に、自分の名義で直接向き合えます。契約期間が終わったあとも、設備の持ち主として保証を使い続けられます。
自己所有型のデメリット・注意点
公平を期すため、弱点も明記します。
契約期間中の売電収入は事業者に帰属することが多い
「自分の設備なのに、売電収入は事業者のもの?」と疑問に思うのは自然です。理由は、月額料金だけでは設備費を回収できないためです。数百万円規模の設備を0円で設置する以上、事業者は契約期間中の売電収入を回収原資に組み込む必要があります。満了後は売電収入も利用者のものになりますが、期間中は受け取れないことを前提に検討してください(満了後の詳細は10年後どうなる?所有権・売電・撤去の真実)。
月額料金は助成金の適用が前提で、変動しうる
東京都の助成金を料金設計に組み込んでいるサービスでは、助成金が不交付になった場合に月額料金が再設定される条件が付いていることがあります。「月額いくら」だけでなく、その金額の前提条件を確認してください。
途中解約には精算条件がある
契約期間は10年または15年が一般的です。途中解約時には、残りの期間に応じた精算金などの条件が設定されているのが通常です。住み替えの可能性がある方は、事前に条件を確認しておく必要があります。
屋根条件の審査がある
事業者が全額を投資する以上、回収の見込みが立つ屋根(向き・角度・面積・築年数など)であることが条件になります。すべての住宅が対象になるわけではなく、審査で対象外となる場合もあります。
「本当に自己所有型か」を契約書で見分ける5つのチェック
「自己所有型」「所有権はお客様に」という説明があっても、契約書の中身が伴っているかは別問題です。次の5点を書面で確認してください。
| チェック項目 | 見るべき箇所 | 自己所有型なら |
|---|---|---|
| 1. 所有権の移転時期 | 「所有権」「帰属」の条文 | 設置完了(引渡し)時点で利用者に帰属と明記されている |
| 2. 設備の資産計上・登記 | 事業者の資産か利用者の資産か | 利用者の資産として扱われる(事業者のリース資産・固定資産ではない) |
| 3. 補助金の申請名義 | 助成金に関する条項 | 申請者・受給者が誰かが明記され、扱いの説明と一致している |
| 4. 売電契約の名義 | 電力会社との契約・売電収入の帰属条項 | 期間中の帰属先と、満了後に利用者へ切り替わる旨が明記されている |
| 5. 満了後の条項 | 契約終了時の取り扱い | 「譲渡」「買取」の手続きが不要で、月額料金の終了のみが定められている |
特に1と5は重要です。「満了時に譲渡する」と書かれていれば、それは呼び名にかかわらず**譲渡型(PPA・リースに近い設計)**です。説明と条文が食い違う場合は、契約前に必ず質問してください。事業者の信頼性を見極めるチェックリストは「0円は怪しい」への回答と事業者の選び方も参考になります。
自己所有型が向いている人・向いていない人
| こんな方 | 向いているか |
|---|---|
| 初期費用0円で、設備は最初から自分のものにしたい | 向いている |
| 所有者向けの補助金制度と整合する形で導入したい | 向いている |
| 毎月の支払いを定額にして家計の見通しを立てたい | 向いている |
| 契約期間中も売電収入を自分で受け取りたい | 向いていない(購入やリースを検討) |
| 数年以内に住み替えの予定がある | 慎重に(途中解約条件の確認が必要) |
| 屋根条件が厳しい(北向き・狭小・築古など) | 審査次第(対象外となる場合あり) |
RESOLA(リゾラ)は「自己所有型」の0円太陽光
東京都の戸建て向けサービス「RESOLA(リゾラ)」は、運営元の株式会社RE電力(東京都千代田区)が提供する自己所有型の0円太陽光サービスです。RESOLAはPPAではありません。 発電した電気を買う契約ではなく、設置時点からお客様所有となる設備を、月額定額のサービス付きで利用する契約です。
| 項目 | RESOLAの内容 |
|---|---|
| 初期費用 | 0円 |
| 月々の支払い | 月額7,000円〜の定額サービス料 |
| 設備の所有権 | 設置時点からお客様 |
| 設備の構成 | 太陽光パネル+蓄電池12.8kWh(住友電気工業 POWER DEPO® H・全負荷200V対応・機器保証15年)のセット |
| 契約期間 | 10年間または15年間 |
| 契約期間中の売電収入 | 株式会社RE電力に帰属 |
| 契約満了後 | 月額0円になり、売電収入を含むすべての経済メリットがお客様に |
| 保守 | 契約期間中は24時間365日の遠隔監視・定期点検費用を月額料金に含む |
| 対象 | 東京都の戸建て住宅 |
※月額料金は東京都助成金の適用を前提とした金額です。助成金が不交付となった場合は金額の再設定が必要となる場合があります。補助金の申請名義や具体的な条件はお客様ごとの設置環境・審査状況により異なりますので、契約前に必ずご確認ください。
RE電力の関連会社である株式会社RE-INNOVATIONSは、太陽光機器メーカーSolarEdge社の日本総代理店として累計300MW超の導入実績を持ち、RESOLAの機器調達と技術を支えています。RESOLAと一般的なPPA・リースの詳しい比較は、運営元による公式解説RESOLAとPPA・リースの違いを徹底比較をご覧ください。
「契約期間中の売電収入はRE電力に帰属する」という、一見不利に見える条件も含めて開示しているのは、回収の仕組みを説明できないサービスと区別していただくためです。自己所有型かどうかは、本記事の5つのチェックをそのままRESOLAの契約書に当てはめて確認していただけます。
まとめ
- 自己所有型の0円太陽光=事業者が設備費を全額負担して初期費用0円で設置し、所有権は設置時点から利用者にある方式
- 0円太陽光は**PPA(電気を買う)/リース(借りる)/自己所有型(自分の設備を持つ)**の3タイプ
- 所有権の違いは補助金の申請者・保証の当事者・満了後の手続きという実利に直結する
- 自己所有型でも契約期間中の売電収入は事業者帰属が一般的。月額の前提条件・途中解約条件も要確認
- 「本当に自己所有型か」は契約書の所有権移転時期・満了後の条項で見分ける
0円太陽光の全体像から確認したい方は初期費用0円の太陽光発電とは?完全ガイドをあわせてご覧ください。ご自宅が自己所有型サービスの設置条件(屋根の向き・広さなど)を満たすかは、無料診断で確認できます。
よくある質問
Q. 自己所有型の0円太陽光とPPAは何が違いますか?
A. 設備の所有者が違います。PPAでは契約期間中の太陽光設備は事業者の所有物で、利用者は発電した電気を買う契約です。自己所有型では事業者が設備費を全額負担して初期費用0円で設置しますが、設備の所有権は設置時点から利用者にあり、利用者は月額のサービス料を支払います。所有者が違うため、補助金の申請者、保証の当事者、契約満了時の手続きも変わります。
Q. 自己所有型なのに、契約期間中の売電収入がもらえないのはなぜですか?
A. 事業者が全額負担した設備費を回収する原資になっているためです。自己所有型では利用者が月額料金を支払いますが、それだけでは数百万円規模の設備費を回収できないため、契約期間中の余剰電力の売電収入を事業者に帰属させる設計が一般的です。契約満了後は売電収入も利用者のものになります。この条件は事業者ごとに異なるため、契約前の確認が必要です。
Q. 自己所有型の0円太陽光では、補助金は誰がもらいますか?
A. 東京都の助成制度は原則として助成対象機器の所有者を対象としているため、設備が設置時点から利用者の所有物である自己所有型では、利用者が助成対象者になる構造と整合しやすいといえます。ただし、実際の申請名義や助成金の扱い(月額料金への反映方法など)はサービスごとに異なります。契約前に「誰の名義で申請し、助成金がどう扱われるか」を書面で確認してください。
Q. RESOLA(リゾラ)はPPAですか?
A. いいえ、RESOLAはPPAではなく自己所有型の0円太陽光サービスです。太陽光パネルと蓄電池は設置時点からお客様の所有物になり、支払いは発電量に連動する電気料金ではなく月額7,000円〜の定額サービス料です。契約期間(10年間または15年間)中の売電収入は運営元の株式会社RE電力に帰属し、満了後は月額0円になって売電収入を含むすべての経済メリットがお客様のものになります。

