「去年より確実に電気代が高くなっている」 「節電しているのに請求額が減らない」
このような声を、最近よく耳にするようになりました。 実際、日本の電気料金は過去5年間で平均30%以上上昇しており、家計への影響は無視できないレベルになっています。
この記事では、電気代上昇の構造的な要因を解説し、今後の見通しと具体的な対策についてお伝えします。
電気代が上がり続ける「5つの構造的要因」

電気代の上昇は一時的な現象ではなく、複数の構造的要因が重なっています。
1. 燃料価格の高騰と不安定化
日本の電力の約7割は火力発電に依存しており、その燃料(LNG・石炭・石油)は大部分を輸入に頼っています。
- 国際情勢の不安定化による燃料価格の乱高下
- 円安による輸入コストの上昇
- 世界的な脱炭素の流れによる化石燃料への投資減少
2022年以降、これらの要因が重なり、燃料費調整額は過去最高水準で推移しています。今後も燃料価格が安定する見通しは立っていません。
2. 再エネ賦課金の増加
再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)は、FIT制度(固定価格買取制度)の原資として全ての電力消費者から徴収されています。
2012年の制度開始時は0.22円/kWhでしたが、2024年度は3.49円/kWhまで上昇。 月間300kWh使用する標準家庭では、毎月約1,000円を再エネ賦課金として支払っている計算になります。
政府の試算では、2030年代前半までさらに上昇が続く見込みです。
3. 送配電網の維持・更新コスト
高度成長期に整備された送配電インフラが老朽化し、更新時期を迎えています。
- 鉄塔・電柱の耐用年数超過
- 変電所設備の更新需要
- 再エネ大量導入に対応するための系統強化
これらのコストは「託送料金」として電気代に上乗せされます。2023年4月から託送料金は全国的に値上げされており、今後も上昇が予想されます。
4. 容量市場制度の開始
2024年度から「容量市場」が本格稼働し、発電所の維持費用を消費者が負担する仕組みが始まりました。 これは電力の安定供給を維持するための制度ですが、新たな費用負担が電気代に追加されています。
5. 電力会社の経営状況
大手電力会社は、燃料費高騰により大幅な赤字を計上。 経営安定化のため、2023年以降、相次いで規制料金の値上げを実施しました。
今後も経営環境によっては追加値上げの可能性があります。
今後10年間の電気代予測

複数の研究機関やエネルギー専門家の予測を総合すると、以下のような見通しが示されています。
短期(1〜3年)
- 燃料価格の変動による上下はあるものの、高止まりが続く
- 再エネ賦課金は引き続き上昇傾向
- 年間2〜5%程度の上昇を見込む専門家が多数
中期(3〜7年)
- カーボンプライシング(炭素税)導入の可能性
- 原発再稼働の状況により変動幅大
- 累積で20〜40%の上昇も視野
長期(7〜10年)
- 再エネ賦課金は2030年代前半にピークアウトの見込み
- ただし、送配電網更新費用は継続的に上昇
- 電気代が下がる要素は少ない
家計を守るための「3つの対策」
電気代上昇が構造的な問題である以上、受け身の節電だけでは限界があります。 より根本的な対策を検討する必要があります。
対策1:電力会社・プランの見直し
電力自由化により、消費者は電力会社を選べるようになりました。 しかし、新電力の経営破綻や撤退も相次いでおり、安さだけで選ぶリスクも高まっています。
効果:月額数百円〜千円程度の節約
限界:燃料費調整や再エネ賦課金の影響は同様に受ける
対策2:省エネ家電への買い替え
エアコンや冷蔵庫など、消費電力の大きい家電を最新機種に買い替えることで、消費電力を削減できます。
効果:消費電力10〜30%削減の可能性
限界:初期投資が必要。電気単価の上昇分を相殺しきれない場合も
対策3:自家発電(太陽光発電)の導入
電力会社から買う電気を減らし、自分で作った電気を使うという根本的な対策です。
効果:電力会社からの購入量を大幅削減(50〜80%)
メリット:電気代上昇の影響を直接受けなくなる
ただし、従来は「高額な初期投資」がハードルとなり、導入を見送る家庭が多くありました。
「初期費用0円」で始める太陽光発電という選択
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- 設置には時間がかかる:申込から発電開始まで数ヶ月を要します
まとめ
電気代上昇は一時的な現象ではなく、複数の構造的要因による長期トレンドです。
- 燃料費・再エネ賦課金・託送料金など、上昇要因は多数
- 今後10年で20〜40%以上の上昇も視野に
- 節電や電力会社変更だけでは根本解決にならない
- 自家発電で「電気を買う」リスクから解放される選択肢がある
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